容器コラム/安全な輸送、保管を実現するUN容器とは
UN容器とは、国際連合(UN)が定めた基準に適合した容器のことを指します。UN規格対応容器と呼ばれることもあるこれらの容器は危険物の輸送や保管時の安全性を確保するため厳しい基準を満たしています。本ページでは、UN容器の概要、使用される場面、そして選び方について簡潔に解説します。

UN規格とは
UN規格とは、国際連合が制定した危険物の輸送に関する国際的な基準です。日本では日本舶用品検定協会でUN準拠指定検査(落下・耐衝撃性・材料性能等)を合格することで、UN規格認定容器と認められ「UNマーク」が付けられます。UNマークがない容器は原則、危険物の海上輸送はできません。UN容器は耐衝撃性・耐薬品性において信頼性の高い容器と言えるため、国内輸送や保管においても安心して使用いただけます。
UN容器の特徴
- 高耐久性:耐薬品性があり、衝撃や圧力に対して高い耐久性を持っています。
- 漏れ防止:内容物が漏れないように設計されています。
- 識別表示:容器にはUNマークが表示され、規格に適合していることが一目でわかります。
UN容器の使用用途
- 国際輸送:危険物を国際海上輸送する際には、原則UN容器が必須です。
- 保管:危険物を安全に保管するためにUN容器が使用されます。漏れや破損による事故を最小限に抑えることができます。
- 廃棄物処理:危険な廃棄物を処理する際にも信頼性の高いUN容器が使用されます。作業者や環境への影響を抑えることができます。
UN容器の試験方法の例
UN容器は、危険物の輸送や保管において安全性を確保するために欠かせない存在です。定められた各種の試験をクリアすることで初めてUN容器として認定されます。
試験にあって「調質」と呼ばれる前準備を実施します。
代表3薬品(酢酸・硝酸・灯油)を充填した状態で常温で6ヵ月または40℃で35日間保管した調質した容器を使って以下のような
試験方法、基準で試験を行います。

劣化モードは(酢酸:ESCR 硝酸:酸化劣化 灯油:膨潤)となります。
代表3薬品よりも劣化度が高い薬品に関しては実液での調質が必要となります。
UNマーク記号表示の見方
UN容器にはUNマークが刻印されます。表示方法は以下の図ようなルールとなっています。UN表示は容器及び包装の記号(容器コードやUN容器コードと呼ばれることもあります)から始まり数字やアルファベットで表示されます。その表示内容から容器タイプや性能など様々な情報を確認することができます。



まとめ
UN容器は薬液の安心、安全な輸送や保管に欠かせない信頼性の高い容器です。UN容器を選択して信頼性ある輸送を実現しましょう。
積水成型では小型のクリーンボトルからクリーンドラムまで各サイズでUN規格を取得したクリーン容器をラインナップしています。
UN容器をお探しの際は気軽にお問合せください。
