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樹脂コラム/「難燃」とは?

私たちが日常的に目にする「不燃」「難燃」「防炎」「耐火」という言葉は、似ているようでいて役割が少しずつ違います。
 
・不燃:燃えない
 火を付けても燃えない材料を指します。ガラスや金属などが典型例です。
 
・難燃:燃えにくい
 火は付くものの、燃え広がりにくい材料を指します。
 
・防炎:燃え広がりにくい
 燃えることはあるが、火源を離すと自己消火し、炎が広がりにくい性能を意味します。
 
・耐火:火に耐える
「建物・構造物」に対して使う言葉。火災時でも壊れない、あるいは一定時間機能を維持することを狙った性能です。
 
一見よく似た言葉ですが、厳密に見るとこのような違いがあります。


<樹脂の難燃規格「UL94」とは>
樹脂の難燃性を評価する代表的な規格として、アメリカULの「UL94」が広く使われています。
この規格では、樹脂板に火を当て、その燃焼状態から難燃性を6段階で評価します(HB ~ 5VA)。

【前提】樹脂板に火を付け、その後の燃焼時間や火種の落下、穴あきの有無などから等級を判定します。
 
<主な判定基準(イメージ)>
HB:火を付け、燃焼時間や燃焼速度から判定
V-2:火を付けると燃え、燃えた火種が滴下して落ちる
V-1:火を付けると燃えるが、火種は落ちない
V-0:燃えるが火種は落ちず、V-1より燃焼時間が短い
5VB:燃えるが火種は落ちない。ただし、強い炎で直接炙ると穴が開く
5VA:燃えるが火種は落ちず、強い炎で炙っても穴が開かない最高グレード
※実際の試験では、燃焼時間や回数などの細かな条件が定められていますが、ここでは概要のみとしています。
 
難燃性のレベル感としては、  HB < V-2 < V-1 < V-0 < 5VB < 5VA
という順で、右に行くほど高い難燃性を持つとイメージすると分かりやすいです。



 
<UL94等級別の具体的な用途イメージ>
・HB:難燃要求がそれほど高くない用途
    包装材、家電外装、建材パネル、一般プラスチック部品など
・V-2:軽い電気安全が必要な用途
    小型家電部品、スイッチカバー、家電内部の一部部品など
・V-1:電子機器で一般的なレベル
    電気部品ケース、電源ユニット部品、モーターカバーなど
・V-0:電子機器の標準的な要求レベル
    多くの電気・電子機器で標準的に求められます
    PC・テレビ筐体、コネクタ、バッテリーホルダーなど
・5VB:高エネルギー電気機器向け
    より厳しい条件下で使用される部品に適用
    電気制御盤、電源装置ケース、工業用機器の電装部品など
・5VA:火災安全上、特に高い信頼性が必要な用途
    火源に近い・高エネルギー環境で使われる重要部品に使われます
    高電圧機器、EVバッテリーケース、航空機部品など

<弊社の難燃PPシートのご紹介>
最後に、弊社の難燃樹脂製品について少しだけご紹介します。
弊社では、難燃樹脂製品として難燃PPシートをラインアップしております。
難燃グレードは「UL94」HB ~ V-0に対応しており、用途に応じた等級選定が可能です。
 
・電気絶縁性に優れ、加水分解を起こしません。
・環境規制強化に対応した素材であり、RoHS指令 規制対象6物質を含有しておりません。
・各種難燃仕様の代替素材としてご提案が可能です。
・調色・シボ柄など、意匠面も含めて個別対応いたします。
 
電気・電子機器、自動車、建材など、本稿でご紹介したような幅広い分野で、すでに多くのお客様にご採用いただいております。
また、PVC(塩ビ)を原料にしている製品も難燃ですが、弊社製品全てに対しましてUL試験を行ってはおりませんので、詳しくは お問い合わせ頂けますようお願い申し上げます。