シート・プレートコラム/ポリオレフィン超延伸シート「フォルテ」とは
フォルテとは?
フォルテは、積水独自の高倍率延伸技術によって開発されたポリオレフィンシートです。
シート内部の分子を一方向に整列させることで、一般的なプラスチックにはない優れた特性を実現しています。
最大の特徴は、「高強度・高弾性率」と「形状保持性」をあわせ持っていることです。
例えば、一度曲げた形状を保持したり、開いた状態を保ったりすることができるため、金属部品の代替材料としても活用されています。
製品名の「フォルテ(Forte)」は、イタリア語で「強い」「丈夫な」という意味を持ち、音楽記号としても使われる言葉です。その名の通り、高い強度を持つ素材として開発されました。

フォルテの特徴
① 高強度・高弾性率
フォルテは非常に高い強度と剛性を持っています。
このような特性を有することから、発泡材などの補強材として活用することが可能であり、製品の剛性向上や形状安定化に貢献します。
② 優れた形状保持性
一度曲げたり形をつけたりすると、その形状を維持しやすい特性があります。この特性により、開口部の保持や部品の補強などに幅広く利用されています。

フォルテの活用事例
1. マスクのノーズフィッター
従来のマスクには金属製のワイヤーが使用されていました。しかし、廃棄時には分別が必要になるという課題がありました。
フォルテを使用することで、金属を使わずに鼻の形にフィットさせることができ、分別の手間を減らすことが可能になりました。

2. 手術用ドレープ
手術時には、血液などの体液を受け止めるためのポケット付きドレープが使用されます。
そのポケット部分にフォルテを使用すると、開口部がしっかり開いた状態を維持できるため、血液の飛散を防ぎながら確実に受け止めることができます。

3. 医療用副木(ふくぼく)・スプリント
骨折やけがの際に患部を固定する副木にもフォルテが活用されています。
金属を使用していないため、CTやMRI検査時に磁場へ影響を与える心配がありません。また、錆びることがなく、衛生面にも優れています。

4. 滅菌2Dバッグ
医療現場で使用される滅菌バッグの開口部付近にフォルテを取り付けることで、袋の口を開いた状態で保持できます。
これにより、手で何度も触れる必要がなくなり、衛生管理の向上にも貢献しています。

5. アパレル分野
フォルテは医療分野だけでなく、アパレル分野でも活用されています。
ミュールバッグのベルトやドレスの立体的なデザイン部分などに使用され、美しい形状を保持するための素材として利用されています。

用途に応じて特性を調整可能
フォルテは、超延伸したシートの積層方法を変えることで、強度や形状保持性をコントロールできます。
例えば、下の左図のようにシートを規則的に積層すると、縦方向・横方向ともにバランスよく強度を発揮します。一方で、下の右図のように積層方法を工夫することで、一方向に曲げやすくすることも可能です。
このように、用途に合わせて最適な構造を設計できることもフォルテの大きな特徴です。

まとめ
フォルテは、「高強度・高弾性率」と「形状保持性」という特長を持つ高機能ポリオレフィンシートです。
金属の代替材料として使用できるだけでなく、医療現場や日常生活における作業負担の軽減や利便性の向上にも貢献しています。
今後も医療、衛生、アパレルをはじめ、さまざまな分野でさらなる活用が進むことが期待される素材です。
